はじめての顕微鏡の使い方|ピント合わせ・倍率変更・明るさ調整をやさしく解説

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顕微鏡を購入したものの、「ピントが合わない」「視野が暗い」「倍率を上げると観察対象を見失ってしまう」など、思うように観察できず困ることがあります。顕微鏡を使いこなすために、複雑な操作を一度に覚える必要はありません。
まずは「倍率」「ピント合わせ」「明るさ」の3つのポイントを押さえることが大切です。この記事では、FieldNew単眼生物顕微鏡を例に、基本的な使い方と初心者がつまずきやすいポイントを、写真付きで分かりやすく解説します。

結論

顕微鏡を上手に使うために、まずは「倍率」「ピント合わせ」「明るさ」の3つのポイントをマスターしましょう!

ポイント基本操作
1倍率最も低い倍率から始める
2ピント合わせプレパラートと対物レンズを近づけてから、遠ざける
3明るさ観察対象が見やすい明るさに調整する

3つのポイントをマスターするために、まずは顕微鏡の各部名称と基本的な使い方を紹介します。
必要のない方は、3つのポイントまで飛ばしてもらってOKです。

目次

顕微鏡の各部名称

はじめに、この記事で使用する顕微鏡の各部名称を確認しましょう。
機種によって名称や構造が異なる場合があります。

このあと解説する操作では、主に「対物レンズ」「粗動ねじ(焦点調節ハンドル)」「微動ねじ(焦点調節ハンドル)」「光源調整ダイヤル」を使用します。

顕微鏡の基本的な使い方

観察するものを用意する。

玉ねぎの例。玉ねぎの表皮をプレパラートにして用意した(プレパラートの作り方は後述。)

プレパラートをステージに置き、対物レンズを最低倍率にする。

プレパラートを顕微鏡のステージに置いた様子。

横から確認しながらステージを上げる

粗動ねじを回してステージを上げる。
この時、対物レンズとプレパラートがぶつからないように、横から見て近づける。

接眼レンズを覗きながら、遠ざけてピントを合わせる。

接眼レンズを覗きながら、粗動ねじを回してステージを下げ、ピントを合わせる。

明るさを調整する。

光源調整ダイヤルを回し、観察対象が見やすい明るさに調整します。

観察対象を視野の中央に移してから倍率を上げる。

より拡大したい場合は、観察したい部分を視野の中央に移してから、対物レンズを高倍率にする。


それでは、顕微鏡マスターのための3つのポイントを紹介します。

初心者必見!顕微鏡をマスターするための3つのポイント

ポイント1
観察は、「最も低い倍率」から始めよう!

顕微鏡で新しく観察を始めるときは、毎回、対物レンズを最も低倍率のものにして観察を始めましょう。
視野が広く、観察対象を見つけやすいからです。

塩の結晶の観察を始める様子。対物レンズを最も低倍率にして始める。
プレパラートやシャーレが、対物レンズがぶつからないように注意する。

例えるならば、地図である町を探す時、広い範囲から狭い範囲にだんだんと近づいて確認しますよね。顕微鏡で観察対象を探す時も地図と同じで、低倍率で広い範囲から観察対象を見つけた後、高倍率にしてさらに詳細を調べます。そのため、観察の初めは必ず「低倍率」から始めましょう。

また、低倍率から高倍率に変えて観察したいときは、低倍率の状態で観察対象を視野の中央に移動させましょう。高倍率にすると、低倍率のときよりも見える範囲が狭くなります。そのため、観察したい部分を視野の中央に移してから倍率を上げると、対象を見失いにくくなります。

顕微鏡で塩を観察した時の視野(左:100倍、右:250倍)。
低倍率(100倍)の時に塩を視野の中央に移してから高倍率(250倍)にすることで、塩の結晶をより大きく観察できた。

このように、顕微鏡観察をする時は、まず始めに「低倍率」にし、観察対象を見つけて中央に移動させてから「高倍率」にすることで、確実に観察対象を拡大することができます。


ポイント2
ピントは「横から見ながら近づけ、覗きながら遠ざける」!

顕微鏡を使っていて最も困難なポイントの1つがピント合わせです。観察対象がぼやけては見えるけれど、ピントを合わせるためのねじ(粗動ねじ、微動ねじ)を回しても、いまいちハッキリと見えないことが多くあります。

このようにピントが合わない時に改めて試して欲しいのが、以下の2つの手順です。

手順1. 顕微鏡を横から確認しながら、対物レンズとプレパラートが接触しない範囲で、ステージをゆっくり上げます。
手順2. 接眼レンズを覗き、対物レンズとプレパラートを遠ざけながらピントを合わせる。

左:手順1で、横から見て、プレパラートを対物レンズに近づけている様子。
右:手順2で、接眼レンズを覗きながらステージを下げてピントを合わせている様子。

手順1で真横から見ながらステージを上げることで、対物レンズとプレパラートがぶつかったり、プレパラートが破損したりするのを防ぐことができます。

対物レンズとプレパラートが接触する様子。
特に高倍率の場合は対物レンズの筒が長く、プレパラートや観察物と接触しやすいので注意が必要です。

そして、ピント合わせで重要なのが手順2です。接眼レンズを覗いて視野を確認しながら、プレパラートを遠ざける方向に粗動ねじをゆっくり回すことで、観察対象にピントを合わせることができます。

ピント合わせは顕微鏡観察において、多くの人が失敗する点です。
接眼レンズをのぞきながらステージをゆっくり下げ、観察対象が見えてきたら微動ねじで細かく調整しましょう。

また、粗動ねじを回して大体のピントが合ったら、微動ねじを回して細やかにピント調整を行うと、観察対象がハッキリと見えます。ねじを動かす順番は「粗動ねじ」→「微動ねじ」であることも、ぜひ覚えて実践してみましょう。

焦点(ピント)を調整するためのハンドル。外側(円が大きい方)が粗動ねじ、内側(円が小さい方)が微動ねじ。


ポイント3
明るさは、「明るすぎず、暗すぎず」!

3つ目のポイントは明るさ(照明)です。
まず、接眼レンズを覗いていて「真っ暗で何も見えない!」というとき、多くは照明がついていないことが原因です。
光源調整ダイヤルを回して照明をつけ、視野が明るくなるように調整しましょう。

顕微鏡で玉ねぎの表皮を観察した際の視野が暗い例(左)と適切に明るい例(右)。
視野が暗い場合は、照明をつけることで視野が明るくなり、観察物が見やすくなる。

照明がつかないときは、電池が正しい向きで入っているか、電池残量が十分か、電源コードを使用する場合は本体やコンセントに確実に接続されているかを確認してください。

また、照明がついているのに、「明るいだけで何も見えない!」ということがあります。
このように視野が明るい状態で何も見えない時は、「明るすぎること」が原因であることが多いです。
視野が明るいのに何も見えない時は、光源調整ダイヤルを回して適度に光を減らしてください。

顕微鏡で玉ねぎの表皮を観察した際の、視野が明るすぎる例(左)と適切に明るい例(右)。
視野が明るすぎて観察物が見えない場合がある。照明を適度に弱くすることで、観察物が見やすくなる。

観察対象によっては、明るさだけでなく、上部LED光源と下部LED光源の使い分けも重要です。
タマネギの表皮など、光を通す薄い試料は下部LED光源、塩の結晶や印刷物など、光を通しにくい試料は上部LED光源を使用すると観察しやすくなります。

観察対象によって適した照明が異なるため、見えにくいときは明るさだけでなく、使用する光源も確認してみましょう。

上部・下部LED光源の使い分けや、身近なものを実際に観察した様子は、
「顕微鏡で見えるもの10選|親子で楽しめる身近なおうち観察」でも紹介しています。

顕微鏡観察において、明るさは「明るすぎず、暗すぎず」を意識して調整しましょう。
観察対象によって適切な明るさは異なるので、観察対象によって明るさを変えましょう。

3つのポイントを以下の表にまとめました。
顕微鏡の使い方に慣れていない人は、「倍率」「ピント合わせ」「明るさ」の3つのポイントを意識して観察にチャレンジしましょう。

ポイント操作
1倍率低倍率から始める。
2ピント合わせプレパラートと対物レンズを近づけてから、遠ざける。
3明るさ視野は明るすぎず、暗すぎず。

プレパラートの作り方

液体や表皮など、透過性のある対象を観察するときは、プレパラートを作る必要があります。
玉ねぎの表皮を例にプレパラートを作成してみましょう。

必要なものを用意する

スライドガラス、カバーガラス、観察する試料、スポイト、水、ろ紙またはティッシュを用意します。

試料をスライドガラスに置く

タマネギの表皮を、スライドガラスの中央に広げて置きます。

スライドガラスに水をたらす。

スポイトを使ってスライドガラスの中央に2~3滴、水をたらしましょう。
多く垂らしすぎると、次の手順で水が溢れます。

カバーガラスをゆっくり下ろす

カバーガラスの端を水につけ、その後ゆっくりと下ろすことで、気泡が入りづらくなります。
試料の真上からカバーガラスを下ろすと、気泡が入り、観察しづらくなる原因になるので注意です。

はみ出した水分を吸い取れば、プレパラートの完成!

カバーガラスで覆った時、水分が多い場合はカバーガラスの外に水分がはみ出します。
最後に、はみ出した水分をろ紙などで吸い取れば、プレパラートの完成です。

顕微鏡の使い方で困ったときのQ&A

ここからは3つのポイントとは別に、顕微鏡を使っていたら出てくる困りごとを解決します。
うまく観察できない、こんなことが起きた!と困った時は、ぜひ参考にしてください。

池の水を観察しても何も見つからない

池の水などでプレパラートを作って観察しても何も見つからない場合は、採取した水滴に微生物が含まれていなかった、または数が少なかった可能性があります。

藻の周辺や容器の底にたまった沈殿物の近くなどから少量採取し、改めてプレパラートを作ってみましょう。
採取する場所を変えて、複数回観察するのもおすすめです。

顕微鏡で池の水を観察した様子。
(左:肉眼では透明に見える部分 。右:藻や濁りのある部分から採取した水を観察した例 )

微生物は肉眼では確認できないため、水の見た目だけで多いか少ないかを判断することはできません。
ただし、藻の周辺や沈殿物の近くなどには、微生物が含まれている場合があります。

何も見つからないときは、採取する場所を変えながら観察してみましょう。

視野の中央に観察物を動かしたい

本記事で使用しているFieldNew単眼生物顕微鏡には、メカニカルステージが付いています。操作つまみを回すことで、プレパラートを前後左右に細かく動かせるため、視野が狭くなる高倍率でも、観察対象の位置を調整しやすくなります。

メカニカルステージと操作つまみの写真。
つまみを回すことで、プレパラートの位置を前後左右に細かく移動できます。

観察対象を視野の中央へ移動するときは、接眼レンズをのぞきながら操作つまみを少しずつ回し、視野内の動きを確認しながら調整しましょう。

本製品では、左右方向と上下方向で、プレパラートを動かしたときの見え方が異なります。

左右方向では、プレパラートを動かした方向と反対方向へ、視野内の像が動きます。
例えば、観察対象が視野の右側にあり、中央へ移動させたい場合は、プレパラートを右方向へ動かします。

顕微鏡で塩を観察した様子。視野の右側に塩の結晶がある。
視野の中央(左)に動かしたいので、プレパラートは右に動かす。

一方、上下方向では、プレパラートを動かした方向と同じ方向へ、視野内の像が動きます。
例えば、観察対象が視野の上側にあり、中央へ下げたい場合は、プレパラートを下方向へ動かします。

操作つまみを回す方向に迷ったときは、接眼レンズをのぞきながら少しずつ動かし、観察対象が中央に近づいているかを確認してください。

顕微鏡でサケのウロコを観察した様子。ウロコの一部が視野の上部にある。
視野の中央(下)に動かしたいので、プレパラートは下に動かす。

※像の向きやプレパラートを動かしたときの見え方は、顕微鏡の機種によって異なります。
一般的な生物顕微鏡では、像が上下左右反転して見えるものもあります。
使用する顕微鏡の説明書を確認し、実際の動きを確かめながら調整してください。 

このように、視野とプレパラートの動きを意識することで、視野の中の観察物を動かすのが、ずっと簡単になります。

倍率を変更するとぼやけて見える

低倍率で観察を始めた後、高倍率にするとピントが合わなくなった経験はありませんか。このように高倍率にしたときにピントが合わない時は、微動ねじを回して調整をするとうまくいくことが多いです。
低倍率の時点で大体のピントが合っているならば、高倍率にした時に必要なのはより細やかなピント合わせです。
観察対象を見失った場合は、一度低倍率に戻し、観察対象を視野の中央に移してから、再び高倍率へ切り替えてください。

サケのウロコを顕微鏡で観察した様子。
低倍率(左・100倍)から高倍率(右・250倍)に変えると、ピントが少しぼやけたようになった。

微動ねじ(内側のネジ・円が小さい方)を回すと、細やかなピント調整ができる(左)。
微動ねじを回してピントを合わせたサケのウロコの模様(右・250倍)

まとめ

初めて顕微鏡を使う場合や、顕微鏡の使い方に慣れていない場合は、
「倍率」「ピント合わせ」「明るさ」の3つのポイントを押さえて観察をしましょう!
また、基本的な使い方に困った時は、「困った時のQ&A」を参考に、顕微鏡をマスターして観察を楽しんでくださいね!





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