夏休みの自由研究で「何をやろうか」と悩んでいる方も多いのではないでしょうか。また、テーマは決まっていても、「もっと内容を充実させたい」「説得力を高めたい」と工夫の仕方に迷うこともありますよね。
この記事では、小学生向けに、顕微鏡を使って取り組める3つの自由研究テーマを紹介します。それぞれの観察方法や発展のさせ方、まとめるときのポイントも解説します。
*本記事ではFieldNew双眼生物顕微鏡を使用しています。
結論
顕微鏡を使った自由研究では、観察するだけでなく、事前に予想を立て、見えたものを記録し、違いを比べて考えることが大切です。
今回紹介するテーマは、次の3つです。
- タマネギの表皮を観察し、植物の細胞を調べる
- 塩と砂糖を観察し、結晶の形や大きさを比べる
- カラー印刷を観察し、色がどのように作られているかを調べる
身近な材料で取り組みやすく、観察結果を写真やスケッチに残しやすいテーマです。
自分なりの疑問や比較を加えることで、より内容の深い自由研究にできます。
| おすすめ実験 | 対象学年(小学生) | 観察のポイント |
|---|---|---|
| タマネギの表皮 | 中学年〜高学年 | 細胞を見ることができる! |
| 塩・砂糖の結晶 | 低学年〜中学年 | 粒によって形が違う! |
| カラー印刷 | 低学年〜中学年 | いろんな色の線(点)が見える! |
顕微鏡を使った自由研究のテーマ3選
ここから、顕微鏡を使った自由研究のおすすめテーマを紹介します。
おすすめの学年も記載するので、参考にして進めてみてください。
テーマ①「タマネギの表皮の細胞の観察」(中学年〜高学年)
顕微鏡を使った自由研究で人気のテーマの一つです。タマネギの表皮を顕微鏡で拡大することで、タマネギの表皮を作る「細胞」を観察することができます。タマネギの表皮を顕微鏡で拡大すると、細長い細胞が並んでいる様子を観察できます。身近な野菜も、小さな細胞が集まってできていることを確かめられる実験です。
「タマネギを拡大すると何が見えるの?」「生き物は細胞で出来ていると知った。
細胞が見やすいというタマネギの表皮を使って、実際に細胞を見てみたい」など。
「タマネギを拡大すると、細胞が見える」「細胞はたくさん並んでいると思う。
ブロックみたいに四角いと思う」など。
- タマネギ
- 包丁(使うときは、大人と一緒に!)
- ピンセット
- プレパラート(スライドガラスとカバーガラスのセット)
- ろ紙またはティッシュ
- 生物(光学)顕微鏡
染色する場合に追加するもの
- 食紅
(染色用、スーパーや100円均一で購入できます。) - 酢(染色用)100ml程度
- 染色液を作る容器
- 混ぜるための棒やスプーン

1.タマネギをくし形に切り、内側(表皮)の表面に切り込みを入れる。

2.切り込みのうち、スライドガラスに乗る大きさのものを選び、表皮をピンセットで優しく取る。

3.表皮をスライドガラスの中央に置き、表皮の上から水を2、3滴たらす。
カバーガラスをかけ、不要な水分をろ紙で吸い取り、プレパラートを完成させる。

カバーガラスをつけている様子。
気泡が入らないように、カバーガラスの端から、ゆっくりと倒すと上手くいきます。
4.顕微鏡のステージにプレパラートを置き、最も低い倍率から観察を始め、表皮の細胞を見つけます。
観察したい部分を視野の中央に移してから倍率を上げ、細胞の形や内部の様子を詳しく観察します。

5.(核を染色する場合)食紅と酢を使って、核を染色して観察する。

作成した染色液(左)とプレパラート(右)。
染色液は、酢100mlに食紅を少量(付属スプーンの1/10程度)加えて混ぜると完成1)。
プレパラートを作る時、水の代わりに染色液をたらして作成しました。

顕微鏡で玉ねぎの表皮を観察した様子(100倍)。細長い四角形の細胞が、すき間なく並んでいる様子が見えました。

核を染色した玉ねぎの表皮を観察した様子(250倍)。染色後は、細胞内に丸い核と思われる部分が、ほんのり赤色に見えました。
観察に慣れてきたら、条件を変えて結果を比べてみましょう。
- 染色前と染色後を比べる
-
染色すると、細胞内の核がどのように見えやすくなるかを比べます。
- タマネギの内側と外側の表皮を比べる
-
採取する場所によって、細胞の形や大きさ、並び方に違いがあるかを観察します。
- 同じ部分から表皮を採取し、細胞の形や色の違いを比べます。
-
採取する場所によって、細胞の形や大きさ、並び方に違いがあるかを観察します。
同じ部分から表皮を採取し、細胞の形や色の違いを比べます。 - 同じ倍率で複数の場所を観察する
-
1か所だけでなく、同じプレパラートの3か所程度を観察し、共通して見られる特徴や場所による違いを記録します。比較するときは、倍率や照明、染色方法などの条件をできるだけそろえることが大切です。
さらにほかの野菜や果物も観察してみよう!

トマトとパプリカ(黄色)の細胞が見えるか、玉ねぎと同様にプレパラートを作って実験しました。
今回は果肉の一部を観察しました。タマネギの表皮とは観察した部分が異なるため、細胞の見え方を単純に比較することはできませんが、野菜や果物によって見え方が異なることを確認できます。

顕微鏡でトマトの果実を観察した様子(100倍)。
細胞が重なっている様子が分かります。
全体的に赤色でした。

顕微鏡でパプリカの果実を観察した様子(100倍)。
トマトと同様、細胞が重なっている様子が分かります。
全体的に黄色でした。
- 写真かスケッチを必ず残そう!
- 比べた時の違いを、言葉で表そう。

スケッチした場合のまとめ方の例。
写真を印刷できると、より説得力がありそうです。
テーマ②「塩と砂糖の結晶を比べよう 」(低学年〜中学年)
塩と砂糖は、どちらも白い粒に見えますが、顕微鏡で拡大すると、粒の形や大きさに違いが見えてきます。
身近な材料で取り組みやすく、観察したものを比べる方法を学べる自由研究テーマです。
「塩や砂糖はどんな形をしているの?」
「塩と砂糖の手ざわりの違いは、粒の形や大きさと関係があるのだろうか? 」など。
「塩と砂糖の形は違う」「丸や四角、三角など色々な形があると思う」など。
- 塩
- 砂糖
- 塩や砂糖を乗せるシャーレ(スライドガラスでもOK)
- 少量を取り分けるスプーンまたはピンセット
- 実体顕微鏡または上部光源付きの生物顕微鏡
*シャーレには「塩」「砂糖」と分かるよう、ラベルを付けてもよいです。

1.塩と砂糖を別々のシャーレに少量入れる
粒が重なりすぎないよう、少量ずつ広げます。

2.最も低い倍率から観察する
シャーレをステージに置き、上部LED光源を使用して、最も低い倍率から観察します。

3.同じ条件で塩と砂糖を比べる
倍率や明るさをそろえ、粒の形、大きさ、透明感、重なり方などを観察します。
4.場所を変えて複数の粒を観察する
1つの粒だけで判断せず、それぞれ3か所程度を観察して、共通する特徴を記録します。
比較実験では、同じ倍率・同じ照明条件で行うことが重要です。

塩を顕微鏡で観察した様子(100倍)。角ばった形の粒が見え、中には立方体に近い形のものもありました。

砂糖を顕微鏡で観察した様子(100倍)。砂糖は、塩よりも形が不ぞろいで、複数の粒が重なって見える部分もありました。
塩や砂糖は、種類によって粒の形や大きさが異なります。
次のような組み合わせを、同じ倍率・同じ明るさで観察して比べてみましょう。
- 食塩と粗塩を比べる
- 上白糖とグラニュー糖を比べる
- グラニュー糖と粉砂糖を比べる
粒の形、大きさ、透明感、粒同士の重なり方などに注目すると、違いを見つけやすくなります。
さらに、うま味調味料、小麦粉、顆粒だし、塩こしょうなど、身近な粒状・粉末の食品も観察してみましょう。塩や砂糖とは異なる形や大きさの粒が見つかるかもしれません。比較するときは、倍率や照明、観察する量などの条件をできるだけそろえ、写真やスケッチに残すのがおすすめです。

小麦粉を顕微鏡で観察した様子(100倍)。
塩や砂糖よりも、粒の大きさが小さかったです。

塩コショウを顕微鏡で観察した様子(100倍)。
透明の粒と茶色の粒がありました。
- 顕微鏡で拡大した時の写真やスケッチを残しておこう!
- 形や、粒の大きさがわかるようにスケッチしたり、言葉で書いたりしよう。

スケッチを大きく書くときは、スケッチブックにまとめるのがおすすめ。
- 塩と砂糖を、同じ倍率・同じ明るさで観察しましょう。
- 写真やスケッチには、試料名と倍率を書きましょう。
- 1つの粒だけでなく、複数の粒を観察して共通点を探しましょう。
- 粒の形、大きさ、透明感、重なり方などを表にして比べましょう。
比較表は、次の項目が使いやすいです。
| 観察項目 | 塩 | 砂糖 |
|---|---|---|
| 粒の形 | ||
| 粒の大きさ | ||
| 透明感 | ||
| 粒の重なり方 | ||
| 気づいたこと |
テーマ③「カラー印刷のヒミツ」(低学年〜中学年)
身近な印刷物を拡大してみると、印刷物の色の作り方がわかります。
紫色は赤色と青色の集まり、緑色は青色と黄色の集まりなど、どんな色が何色で出来ているかが観察ポイントです。
用意するものが少なく、すぐに始めやすい実験です!
※一般的なカラー印刷では、シアン(青緑)、マゼンタ(赤紫)、イエロー(黄)、ブラック(黒)の4色が主に使われます。
本記事では、小学生にも分かりやすいよう、顕微鏡で見えた色を「青」「赤」「黄」「黒」と表現しています。
「チラシや雑誌の色は、どのように作られているのだろう? 」
「家のコピー機で使うのは4色(黒、赤、青、黄)なのに、どうして紫色がコピーで出てくるの」など。
「コピー機の中で色を混ぜて作っている」
「ピンク色だったら、拡大してもピンク色がしっかり塗ってあると思う」など。
- カラーコピーの印刷物(チラシなど)
- 実体顕微鏡または上部光源付きの生物顕微鏡

1.観察したい印刷物を用意する
2.観察しやすい大きさに切る
観察したい部分を小さく切り取り(ちぎってもOK)、シャーレや台紙の上に置きます。

3.最も低い倍率から観察する
上部LED光源を使い、最も低い倍率から観察します。

4.同じ部分を倍率を変えて観察する
見たい部分を視野の中央に移し、必要に応じて倍率を上げます。
5.色のつき方を記録する
どのような色の点が見えたか、写真やスケッチで残します。
カラー印刷の部分を顕微鏡で観察すると、1色に見えていた部分にも、小さな点が並んでいる様子が見えました。赤っぽく見える部分でも、赤だけではなく、別の色の点が組み合わさって見えることがありました。
肉眼ではなめらかに見える色も、拡大すると細かな点の集まりでできていることが分かりました。

カラー印刷の紫色を顕微鏡で拡大した様子(100倍)。赤色と青色の線が斜めに交差していました。

カラー印刷のオレンジ色を顕微鏡で拡大した様子(100倍)。赤色と黄色の線が見えました。

カラー印刷の黒色を顕微鏡で拡大した様子(100倍)。黒色だけでなく、赤色、青色、黄色の線がありました。
観察に慣れてきたら、印刷物の種類や色の違いを比べてみましょう。
たとえば、チラシと雑誌、写真とイラスト、文字と写真などを比べると、色のつき方や点の細かさに違いが見つかることがあります。比較するときは、倍率や明るさをそろえて観察すると、違いを見つけやすくなります。
- チラシと雑誌を比べる
- 写真とイラストを比べる
- 赤・青・緑など、色ごとに比べる
- 文字の部分と写真の部分を比べる
- 家庭用プリンターの印刷と市販の印刷物を比べる
- モノクロ印刷とカラー印刷を比べる
顕微鏡で観察した写真やスケッチを残しましょう。

今回は色の違いが大切な観察ポイントです。
見えた色をクレヨンや色鉛筆で再現し、「赤」「青」「黄」などの色名や、観察した倍率も書き添えると、結果が伝わりやすくなります。 また、色だけでなく、点や線の並び方、印刷物による見え方の違いも比べてまとめてみましょう。
顕微鏡を使って自由研究をもっと深めよう
顕微鏡は「観察メインの実験」だけでなく、他の実験の補助としても大活躍します。
研究内容をグッと充実させ、説得力を高めることができるからです。
例えば、小学生に大人気の「10円玉のぴかぴか実験」。色々な調味料を使ってどれが一番10円玉をきれいにできるかを比べる実験ですが、ここに顕微鏡を取り入れてみましょう。
きれいにする前と後の10円玉の表面を顕微鏡で観察して写真(スケッチ)で比べれば、変化の様子がひと目で伝わり、研究内容をより具体的に伝えやすくなります。さらに、きれいになった10円玉同士の表面を顕微鏡写真で比較すれば、「どの調味料が1番きれいになったか」の実験結果を補足でき、説得力のある結果になりますね。
このように「自分の研究をより深め、説得力を持たせるためのツール」として顕微鏡を活用するのも非常におすすめです。
自由研究の進め方・まとめ方を知りたい方へ
テーマの決め方や実験計画の立て方、結果と考察の書き方、模造紙・ノートへのまとめ方については、以下の記事で詳しく紹介しています。
「小学生の自由研究の進め方・まとめ方|テーマの決め方から考察まで解説」 仮
まとめ
顕微鏡を使った自由研究テーマは、
「タマネギの表皮の細胞」「塩と砂糖の結晶」「カラー印刷」の3つがおすすめです!
どれも取り組みやすく、発見の多い実験です。
観察するものや偶然見えた発見によって、研究の展開やまとめ方は変わります。
ぜひ顕微鏡を活用して、楽しく自由研究に取り組んでみてください!
| おすすめ実験 | 対象学年(小学生) | 観察のポイント |
|---|---|---|
| タマネギの表皮 | 中学年〜高学年 | 細胞を見ることができる! |
| 塩・砂糖の結晶 | 低学年〜中学年 | 粒によって形が違う! |
| カラー印刷 | 低学年〜中学年 | いろんな色の線(点)が見える! |
参考文献
1) ”実験841 食紅を使って染色液を作ろう”. (参照 2026-07-31)
この記事では、双眼生物顕微鏡を使用して観察しました。
タマネギの表皮や塩・砂糖、カラー印刷など、身近なものを実際に拡大して観察できます。
自由研究だけでなく、日常の「これを拡大したらどう見えるんだろう?」という観察にも活用できます。
商品の詳細・ご購入はこちら
